求核置換反応とは

目次

反応の概要

電子が豊富な試薬(求核試薬)が電子が不足している基質(求電子剤)を攻撃することで、求電子剤の脱離基と置換反応を起こす反応を総称する。

 

簡単に言うと、電子いっぱいの試薬が電子少ない基質にくっついて、代わりに脱離基(構造から離脱しやすい置換基)と置き換わる反応。

 

一般的にSN1反応と、SN2反応の2種類がその代表的な反応。

反応機構(SN1反応)

SN1反応は以下の手順で2段階により発生する。

 

・まず脱離基が脱離して、カルボカチオン中間体が生成。

 

・求核剤がカルボカチオン中間体に反応する。

 

 

 

また、問われやすいポイントとして以下があげられる。

 

・生成物はR体とS体の50%等量混合物(ラセミ体)。

 

・反応の律速段階は脱離基の解離段階。

 

・反応次数は1次。(1次反応式で表される)

 

・反応性はカルボカチオン中間体の安定性に依存する。

 

・反応に用いられる溶媒は水やアルコールなどのプロトン性溶媒が用いられる。(脱離基を溶媒和して安定化させる為)

反応機構(SN2反応)

SN2反応は以下の手順で1段階により発生する。

 

・脱離基が脱離するのと同時に求核試薬が攻撃を行う。(協奏的反応という)

 

・求核剤は中心炭素を挟んで脱離基の反対側から攻撃する。 

 

 

また、問われやすいポイントとして以下があげられる。

 

・立体は反転する(Walden反転)

 

・反応速度は基質と求核剤の2種の濃度に依存する 

 

・反応次数は2次。(2次反応式で表される)

 

・反応性は中心炭素の立体障害に依存する。(メチル基などの小さい置換基がついているほど早い)

 

・反応に用いられる溶媒はDMFやDMSOなどの非プロトン性溶媒が用いられる。