エーテルの開裂反応

エーテルは非常に反応性が低く、二クロム酸カリウム、過マンガン酸カリウムなどの酸化剤とも反応しない。

 

エーテルは通常の温度ではほとんどの酸や塩基とは反応しない為、あらゆる化学反応の溶媒として有用である。

 

ただし、強酸と反応させることでハロアルカンとアルコールを生成する。

 

ここでは、反応性の乏しいエーテルの反応の中でもハロゲン化水素でのエーテル開裂反応について記述する。

反応機構

 

エーテルの開裂反応は一般的に以下のような順で進行する。

 

1.ハロゲン化水素(HBr)の臭素イオンが求核試薬として3級炭素を攻撃

 

2.C-O結合電子が酸素側へ移動

 

3.酸素上のローンペアがプロトンを引き込みエタノールが生成。

エーテル開裂反応の注意点

上記の反応でこのような生成物を想定した方もいるのではないか。

 

この生成物を与える為には最初の臭素イオンの攻撃がエーテル酸素の右側炭素に攻撃する必要がある。

 

求核試薬はよりカルボカチオンがより安定性の高い方へ反応する為、1級カルボカチオンを与える右側炭素よりも優先して左側炭素へ攻撃を仕掛ける。