抗HIV薬(リトナビル)の作用機序

2019年末から世界の問題となっている「新型コロナウイルス関連肺炎」ですが、その原因としてわかっているコロナウイルスに対し「抗HIV薬」、いわゆるAIDS(エイズ)の薬が有効かもしれないと報告が出ています。

 

現段階では、症例集積ということで新型コロナウイルス関連肺炎に対する治療法として高いエビデンスを有するものではなく、推奨治療法として確立していませんが、世界では新型コロナウイルス感染者に対し投与したところ有効例があるようです。

リトナビルの作用機序について(イラスト)

ウイルスは我々の体に感染したあと、増殖するために、遺伝情報である「RNA」からウイルスの材料である「タンパク」を作成します。

 

タンパクを作るためには「インテグラーゼ」とよばれる酵素たんぱく質が必要です。

 

リトナビルは「インテグラーゼ阻害薬」とよばれる分類の抗HIV治療薬で、ウイルスがタンパクを増やす過程を阻害します。

 

このような作用により仮に、ウイルスが細胞内に感染したとしても、そのあと増殖することを抑えることができるのです。