ピリン系薬剤とは

「ピリン系アレルギー」という言葉を聞いたことがある方は多くいると思います。

「ピリンアレルギー」がある方にとって風邪薬や解熱鎮痛剤を使用する際にどの薬が安心して使える薬なのか、判断するのはそう簡単ではないでしょう。

また、「~ピリン」と名前が付くものが「ピリン系」なのでは?とお思いの方もたくさんいることでしょう。

実際は「~ピリン」という名前でも「ピリン系」ではないものがあります。

下記に解説をしていきます。

アスピリンはピリン系薬剤ではない!?

アスピリンは名前にピリンがつく事や会うピリンを含む市販薬を使用して、湿疹などの副作用を経験して以来、自分はピリン系アレルギーだと勘違いされ、アスピリンを含む市販の解熱鎮痛剤が使えないと思い込んでしまっていることがあります。

結論から言いますと、アスピリンはピリン系ではありません。

実は「アスピリン」という名前はいわゆる俗称で、正式には「アセチルサリチル酸」という名前なのです。こう聞くと名前からもピリン系ではないのだと少しわかりやすくなると思います。

アスピリンの由来は、古代ギリシャの時代にヤナギの樹皮成分「サリシン」を解熱鎮痛薬として利用していたことに始まります。

日本でも、ヤナギのつまようじが今でも使われるのは、「サリシン」に鎮痛成分があることから歯茎の痛みを抑える目的です。

科学の進歩に伴い、「サリシン」から「サリチル酸」が抽出され、化学的に副作用が少なくなるように工夫、改良した「アセチルサリチル酸」、いわゆる「アスピリン」が誕生することになります。

本当のピリン系薬剤とは

では、本当の「ピリン系薬剤」とは何なのでしょうか。

現在、日本で医薬品として利用されている「ピリン系薬剤」は、「アンチピリン」と「スルピリン」の2種類です。(左記を科学的に修飾したものを除く)

製剤としては、「SG配合顆粒」「クリアミン」「セデス」「プレコール」などがあります。

市販薬を選ぶ際には、成分表示の欄に「IPA」や「イソプロピルアンチピリン」の記載が無いか注意して確認すると良いでしょう。

もちろん、「ピリン系薬剤」を含む医薬品はこの限りではないので、購入の際には必ず薬剤師もしくは医師に相談するようにしましょう。