配向性とは、ベンゼン環に2つの置換基が結合するときの、2つ目の置換基の位置を表すものと考える。
共鳴構造式を書くことで理解しやすい。
共鳴構造式でマイナス性の高い(電子密度が高い)位置に配向性がある。
以下の様にまとめられます。
1置換ベンゼン(ベンゼン環に一つ置換基が結合しているもの)の置換基の位置を1番とすると
・すぐ両隣(2番目)がo(オルト)位
・3つ目がm(メタ)位
・4つ目がp(パラ)位
示した共鳴構造式のように、o(オルト)位及びp(パラ)位の電子密度が高まる場合には、o・p(オルト・パラ)配向性となる。
この配向性をとる置換基は以下の通り。
・ローンペアを有する
・ハロゲン(但し反応性は低下する)
ローンペアを有する置換基のうち、ニトロ基やスルホ基などベンゼン芳香環以外で共鳴できる場合には芳香環への電子流入が妨げられる為、o・p配向性とはならない。
芳香環に電子求引性のある置換基が存在する場合には、上記の反応式の様にm(メタ)位は常にプラス荷電することなく電子密度が保たれる。
従って、m(メタ)配向性をとる置換基は以下の通りとなる。
・ニトロ基
・スルホ基
・アシル基
置換基上で共鳴が存在する場合は、その共鳴に芳香環のπ電子が利用される場合にこのm(メタ)配向性をとると考えると良いでしょう。
置換ベンゼンは結合する置換基によって求電子置換反応の反応性が変化する。
例えばアルキル基(直鎖炭素)やヒドロキシ基は求電子置換反応の反応性を高め、反対にアシル基(不飽和炭素)やニトロ基では反応性を低める。
求電子置換反応を促進するような置換基のことを「活性化基」といい、反応を抑制するような置換基のことを「不活性化基」と呼ぶ。