硝酸イソソルビド、一硝酸イソソルビドは構造中にニトロ基を含み、これが生体内でのNO供与の本体です。
両者の構造上の違いは、ニトロ基の数です。
ニトロ基が1つなのが一硝酸イソソルビド、2つなのが硝酸イソソルビドです。
一般的にイソソルビドと呼ぶ時には暗黙的に硝酸イソソルビドのことをさします。
硝酸イソソルビド製剤の代表として、ニトロール。
一硝酸イソソルビド製剤の代表として、アイトロールのインタビューフォーム(IF)を参照。
それぞれ、同量を静脈内投与した場合と経口投与した場合のAUCを比較することによりバイオアベイラビリティを計算しています。
硝酸イソソルビド(ニトロール)のバイオアベイラビリティは約3.2%
一硝酸イソソルビド(アイトロール)のバイオアベイラビリティは約100%
これらの違いは、硝酸イソソルビドの構造中にある2つのニトロ基のうち1つがP450により水酸化を受ける(肝代謝)(初回通過効果)ことによるものと考えられます。
従って肝機能低下患者には、利用率が上昇します。